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1/28 株式会社オカムラの共創空間“Sea”開催、トークセッション「面白い人と出会うコツ ―極めすぎた人たち―」試聴レポート 公開

イベントレポートを公開しました。

YUKISEIMITSU AUDIO REPORT 第10回目です。ご縁あって弊社の永松がトークセッションにお声掛けいただきました。場所はオフィス家具の株式会社オカムラさんが紀尾井町のニューオータニにお持ちの共創空間で、ご一緒にお話しするのは世界的に活躍される写真家の藤田修平さん。モデレーターは元オカムラ社員にして現在は松山工業株式会社の代表取締役である鵜久森洋生さん。テーマは「面白い人と出会うコツ ―極めすぎた人たち―」。トークセッションと合わせて藤田さんによるフォトセッションがあり、弊社もAP-01の音を皆さんに聴いて頂きました。

1/28 「面白い人と出会うコツ ―極めすぎた人たち―」試聴レポート 公開

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2025/1/28 株式会社オカムラの共創空間“Sea”開催、トークセッション「面白い人と出会うコツ ―極めすぎた人たち―」試聴レポート

YUKISEIMITSU AUDIO EVENT REPORT

寒い日が続きますが、花粉症の皆様、今年もこの時期がやって参りましたね。花粉症ではない皆様、うらやましいです。由紀精密の佐竹です。

YUKISEIMITSU AUDIO REPORT 第10回目です。ご縁あって弊社の永松がトークセッションにお声掛けいただきました。場所はオフィス家具の株式会社オカムラさんが紀尾井町のニューオータニにお持ちの共創空間で、ご一緒にお話しするのは世界的に活躍される写真家の藤田修平さん。モデレーターは元オカムラ社員にして現在は松山工業株式会社の代表取締役である鵜久森洋生さん。テーマは「面白い人と出会うコツ ―極めすぎた人たち―」。トークセッションと合わせて藤田さんによるフォトセッションがあり、弊社もAP-01の音を皆さんに聴いて頂きました。

こちらの共創空間は「Sea」の名の通り海がテーマで、スピーカーからかすかに流れる自然音やディフューザーの香りにもこだわられていて心地よい空間でした。また、隣のショールームもとても素敵な空間です。テーマごとに区切られたスペースが次々と連なっているのですが、あまりの広さに数メートル進むたびに「まだある!え?まだあるの?」と面白く、私は二周してしまいました。
こういったことからもオカムラさんが長きに渡りオフィス家具を中心とした「働く環境」に真摯に向き合っていらっしゃるのだと感じられます。「Sea」はメンバーの方が共創を目的としたコワーキングスペースとして滞在できる、「働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える。」というコンセプトの「WORK MILL」というプロジェクトが企画・運営している共創空間だそうです。この二つの空間のコンセプトや演出を含め、働く環境に向き合う姿勢の一端を垣間見させていただく機会となりました。

コンセプトを体現できる「場」を保持し、常にそこに人を呼ぶことが出来る、体験してもらえるのは正直うらやましくも感じました。AP-01は音で「場」を作る装置とも言えるので、ヒントを頂いたようでもあります。

トークセッションはそれぞれの来歴、何をどう極めたかのお話から仕事に対する姿勢やこだわりの話に及び、少しお酒の入った会場の皆さんの空気感も相まって和気藹々と進みました。

トークセッションの後は藤田さんによるフォトセッションです。一角にカメラやレフ版が設置され、その場で「人物を撮影する時にどうしているか」を実演をまじえながら拝見させていただいたわけですが、世界的なプロカメラマンの仕事を見せていただく、またとない機会となりました。

トークセッションの後は藤田さんによるフォトセッションです。一角にカメラやレフ版が設置され、その場で「人物を撮影する時にどうしているか」を実演をまじえながら拝見させていただいたわけですが、世界的なプロカメラマンの仕事を見せていただく、またとない機会となりました。

拝見させていただいて気づいたのですが、藤田さんは実際にシャッターに指をかける前から被写体(今回はプロのモデルではなくオカムラの社員の方)に話しかけ、撮影中もずっと声をかけ続けています。素人の私が書くのも恐縮ですが、ずっと会話を続けながらも同時にシャッターを切り続け、その全てで会場のみんなが沸くような写真を撮る。これはすごいことなのだと思います。

イベント後に藤田さんにお伺いする機会がありました。実は撮影前の段階で被写体の一番のアピールポイントを見抜き、その時点で構図やポーズを直感的に決めている、とのこと。それと同時に空気感を作るためにも撮影前から声をかけ、撮影中も会話を決して止めないようにしている、と。長きに渡り第一線で活動されてきた期間が蓄積させる莫大な経験があるからこそ出来る技なのでしょう。

フォトセッションの後はリスニングセッション、AP-01の出番です。実は演奏開始後すぐにちょっとしたトラブルがありまして一旦演奏を止めざるをえず、冷や汗ものでした。(針にホコリが絡み、音が歪んでしまったのです。)ただ、その瞬間に皆さんがAP-01を取り囲むように集まって色々な質問をしてくださったことで、急遽機械的な部分の説明へと入ることができ、会場の皆さんに助けられる格好となりました。ありがとうございました。その後は無事に演奏に戻ることができ、曲のリクエストも頂けて盛り上がったのではないかと思います。

リスニングセッション終了後は交流タイム、その場での懇親会のようになり、色々な方とお話をさせていただきました。あちらこちらで盛り上がる会話はイベント終了の合図でも止むことはなく、にぎやかな夜となりました。

以上、株式会社オカムラにて開催されたトークセッションのイベントレポートでした。改めまして、お越しいただいた皆様、ご協力いただいたスタッフの皆様、藤田さん、鵜久森さん、誠にありがとうございました!

残念ながら今回はご来場の叶わなかった方々、「また聴きたい」と感じていただいた方々、由紀精密はこれからも日本各地(たまに海外にも)で試聴の機会を作っていきます。またの機会にお会い出来ることを楽しみにしております。

これからのイベントスケジュールも決まり次第、ホームページやSNSでお知らせして参ります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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2025/1/17-19 鎌倉のワインバー祖餐 試聴会レポート

YUKISEIMITSU AUDIO EVENT REPORT

本年も宜しくお願い致します。由紀精密の佐竹です。

YUKISEIMITSU AUDIO REPORT 第9回目は、鎌倉で長年営業され、ナチュールワイン好きの間では有名な鎌倉の祖餐(sosan)さんでの試聴会の模様をお送りします。

鎌倉駅の西側、御成通りを進んだ先の細い路地に佇む古民家風の建物。正確には一階はPilgrimというワインバーで二階が祖餐、と別々の店名なのですが、オーナーも一緒でお客さんも自由に上下を行き来していて不可分なので、どうやらまとめて祖餐と呼んでいらっしゃる方が多いようです。今回はこちらの二階にAP-01を置かせて頂いてのイベントとなりました。

オーナーの石井さんは一部界隈では“ワインの妖精”とも呼ばれるワインのエキスパートで、おすすめしてくださるワインはどれもとても美味しいのです。日本ではここでしか飲めないワインもあるとのこと。奥様の美穂さんが作られるお料理は国籍・ジャンル問わず様々なものがあるのですが、奇を衒わないようでいて何か一捻りされていて、これまたとても美味しく楽しくてワインが進む進む。

Pilgrimは土・日・月の午前中は「a cup of journey」という別の店名でAKINAさんという方がカフェを営業しています。

初日のセッティング中にAKINAさんが一枚のシングルレコードを持って二階までいらっしゃいました。「宇多田ヒカルが好きでレコードを買ったんですが、自宅にプレーヤーが無いので、実は三年間開封すらしていないんです。今日初めて開けるので、かけてもらえますか?」とのこと。その宇多田ヒカルのレコードに収録されたアカペラバージョンの「First Love」が素晴らしく、今回のイベント3日間のうち最もリクエストの多いレコードとなりました。

今回のイベント、そもそもの始まりは由紀精密の役員の一人が鎌倉在住であることからご縁を頂きました。複数日連続しての試聴会はおよそ一年ぶり、しかもAP-01にとって鎌倉は初めての土地でしたが、連日お昼から22:00過ぎまで沢山のお客様にお越しいただき、ずっと満席でした。また、「レコード持参も大歓迎」としたところ、普段永松や私が持参するレコ―ドには無いジャンルも含めて沢山お持ちこみいただき、お陰様でイベントとしての幅も広がり、AP-01の特性を引き出してくれる新たなジャンルとの出会いともなりました。

日中は冬の陽の明かりが窓から入り込み、それはそれはとても良い雰囲気の中でコーヒーを飲みながら音楽を聴いて頂くことが出来ました。

陽が沈み、裸電球の明かりが店内を照らし始めると今度は本格的にワインの時間です。ワインと食事、音楽とみなさんの会話が店内の雰囲気を更に高揚させ、ワインのおかわりと曲のリクエストが交互に繰り出されるグルーヴ感のある素晴らしい週末の三日間となりました。ほとんどの方が数時間も滞在、中には二日連続で音を楽しみに来てくださった方も複数名いらっしゃったことは私たちにとって大変嬉しいことでした。

イベント終了の翌日、機材の撤収のために伺うと、出迎えてくれた石井さんと美穂さんが「すごく寂しい」とAP-01との別れをとても惜しんでくださりました。ここまでAP-01に感情移入していただいたイベントは初めてです。「別れの曲をかけてください」とのリクエストまで頂き、やはりそのリクエストに応えるには今回最多登場の宇多田ヒカル「First Love」のアカペラバージョン、そして最後にディヌ・リパッティのバッハ「主よ人の望みの喜びよ」を演奏し、今回のイベントは本当の終焉を迎えました。

本当に多くの方からのお褒めの言葉の数々、「欲しいなー」といった率直な感想、「今度はこんなイベントどう?」といったご提案まで頂け、鎌倉という街、祖餐を中心としたコミュニティに受け入れて頂けたようで嬉しい限りでした。

以上、鎌倉のワインバー祖餐でのイベントレポートでした。改めまして、お越しいただいた皆様、ご協力いただいたお店の皆様、誠にありがとうございました!

残念ながら今回はご来店の叶わなかった方々、「また聴きたい」と感じていただいた方々、由紀精密はこれからも日本各地(たまに海外にも)で試聴の機会を作っていきます。またの機会にお会い出来ることを楽しみにしております。

これからのイベントスケジュールも決まり次第、ホームページやSNSでお知らせして参ります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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1/17-19 鎌倉のワインバー祖餐にて実施、試聴会レポート 公開

イベントレポートを公開しました。

YUKISEIMITSU AUDIO REPORT 第9回目は、鎌倉で長年営業され、ナチュールワイン好きの間では有名な鎌倉の祖餐(sosan)さんでの試聴会の模様をお送りします。

鎌倉駅の西側、御成通りを進んだ先の細い路地に佇む古民家風の建物。正確には一階はPilgrimというワインバーで二階が祖餐、と別々の店名なのですが、オーナーも一緒でお客さんも自由に上下を行き来していて不可分なので、どうやらまとめて祖餐と呼んでいらっしゃる方が多いようです。今回はこちらの二階にAP-01を置かせて頂いてのイベントとなりました。

1/17-19 鎌倉のワインバー祖餐 試聴会レポート

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小原由夫のアナログ歳時記 1月21日(火)

オーディオ評論家 小原由夫 による
今日の一曲と日常の記録
レコードと共に時を刻む

1月21日(火) 快晴
 
 都市部を含む関東地域では、昨年12月のひと月に雨がほとんど降らなかった。そのせいで空気が異常に乾燥し、火災の頻発やインフルエンザの蔓延が助長されたように思う。私も日中や就寝時に加湿器の恩恵に与っているが、乾燥は人体(喉や肌)のみならず、オーディオにも悪影響をおよぼす。
 
 いわずもがな静電気である。この時期、誰しもありがちで、機器の金属部に触れる際、「バチッ」という衝撃が走って手を窄めたりする。もっと厄介なのは、レコードの盤面に帯電する静電気で、これが埃や塵を誘因し、盤面にそれらが付着してしまうのだ。それを落とすのに除電ブラシを使ったりするわけだが、実は再生中にも静電気は発生し続けており、回転している盤面に埃等が付着する。これを防ぐべく、プラス/マイナスイオンを発生させて再生中の盤面の静電気を中和させるアクセサリーなども市販されている。
 ターンテーブルにレコードを乗せる際に比べれば、外す時の方が大きな静電気が発生しやすい。レコードを持ち上げる際に「バチッ」という現象を体験した方は多いことだろう。カートリッジとレコードの音溝の摩擦によって静電気が発生することが主な要因で、瞬間的には数百Vにまで達し、それがノイズとなって再生音に悪影響を与える。
 
 AP-01には、こうした静電気を防止するような工夫が凝らされている。静電気の滞留を抑えるために、プラッターの表面に導電性を有した特殊な処理が施してあるのだ。それにより、特別なアクセサリーを併用せずとも、プラッターに直接レコードを乗せても静電気がある程度抑制されているのがわかる。
 埃や塵が乗ったままでレコードを再生すると、「パチパチ、ブチブチ」とノイズが出やすい。大編成のオーケストラやロックを大きな音で再生している場合はあまり気にならないが、小編成の音楽を聴いている時は、どーしても気になる。ピアノソロ演奏などは覿面(てきめん)だ。
 
 敬愛するジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの68年のピアノソロ作「アローン」のレコードを掛ける際、私は静電気に人一倍気を使う。エヴァンス特有の静謐(せいひつ)なリリシズムが、「パチパチ、ブチブチ」のノイズで消されてしまっては興醒めだからだ。
 
 それまでに自身のプレイでの多重録音作を2枚制作してきたエヴァンスだが、無伴奏による完全な独創ピアノ作品は、公式には本盤が初となる。自身によるライナーノーツの中で、「プロの演奏家であるにも関わらず、聴衆のいない環境での演奏をどちらかというと好む」と発言している。それだけ本作には彼のピュアな心情がストレートに演奏に反映されていると見ていいだろう。例えば片面(SIDE-B)全面にカッティングされた14分にもおよぶ「Never Let Me Go」は、聴いていて心が洗われるようで、グイグイと演奏に引き込まれる。あまりに美し過ぎるのだ。
 
 人間関係、あるいは国家間と同様、「バチバチ」した関係はあまり宜しくないものですな…。 
「2025年 私の目標 休肝日をつくる!」
執筆者 プロフィール

小原 由夫
オーディオ評論家。測定器メーカーのエンジニア、編集者という経歴をバックボーンに、オーディオおよびオーディオビジュアル分野に転身。ユーザー本位の姿勢でありながら、切れ味の鋭い評論で人気が高い。
自宅には30帖の視聴室に200インチのスクリーンを設置。サラウンド再生を実践する一方で、7000枚以上のレコードを所持。

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1/28トークイベント「面白い人と出会うコツ-極めすぎた人たち-」にてAP-01をご試聴いただけます / 1/28 We will participate in the talk event “Tips for Meeting Interesting People – People who have gone too far.

A talk session to explore what true value is from the perspective of “people who have gone too far” and to sense their passion, thoughts, and commitment to their work.
Although it will only be for a short time, you will be able to listen to the AP-01.

Date and Time
Tuesday, January 28, 2025, 19:00-21:00

Venue
Open Innovation Biotope “Sea
New Otani Garden Court 3F, 4-1 Kioi-cho, Chiyoda-ku, Tokyo
Inside Okamura Garden Court Showroom

Capacity
40 people (Application deadline: Tuesday, January 28, 2025, 17:00)

Click here for more information

「極めすぎた人たち」の視点から真の価値とは何かを探求し、仕事への情熱・想い・こだわりを感じ取るためのトークセッションに永松が参加します。
わずかなお時間ではありますが、AP-01もご試聴いただけます。

開催日時
2025年01月28日(火)19:00~21:00

開催会場
Open Innovation Biotope ”Sea”
東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート3階
オカムラガーデンコートショールーム内

定員
40名(申込締切2025年01月28日(火)17:00)


申し込みはコチラ

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2/2 茅ヶ崎レコードカフェReco reto イベントにて、AP-01 をご試聴いただけます / You can listen to the AP-01 at the event held at Chigasaki Record Cafe Reco reto on February 2.

At Chigasaki Record Café Reco Reto, Yuki Precision, a company dedicated to craftsmanship, and “three blind mice,” known for their commitment to sound production, will be delivering plenty of TBM’s audio sources using the RECORD PLAYER “AP-01.”

Schedule
February 2, 2025 (Sunday)

Place
Chigasaki Record Cafe Reco.reto

Outline of the event
OPEN 14:30 / START 15:00
4,000 yen per person (one order only)

Reservations required
For reservations, please contact us by e-mail
recoreto8686@gmail.com

茅ヶ崎レコードカフェReco retoにて、ものづくり一筋の由紀精密と音作りにこだわった「three blind mice」がRECORD PLAYER「AP-01」でTBMの音源をたっぷりとお届けします。

開催日程
2025年2月2日 (日)

場所
 茅ヶ崎レコードカフェReco.reto

開催概要
OPEN 14:30/START 15:00
おひとり様 4,000円 (ワンオーダー制)

完全予約制
予約はメールにてご連絡ください。
recoreto8686@gmail.com

2/2 茅ヶ崎レコードカフェReco reto イベントにて、AP-01 をご試聴いただけます / You can listen to the AP-01 at the event held at Chigasaki Record Cafe Reco reto on February 2. Read More »

米国のオーディオ専門誌「The Absolute Sound」の2025年1月号にAP-01が掲載されました / The AP-01 was featured in the January 2025 issue of audio magazine The Absolute Sound.

米国のオーディオ専門誌「The Absolute Sound」の2025年1月号にAP-01が掲載されました。
音楽ジャーナリストのマイケル・フレマー氏に高く評価いただきましたことを、大変光栄に思います。

これからも真摯にレコードプレーヤーと向き合い、さらなる製品の開発に努めてまいります。今後ともご期待ください。下部に要約をご用意しました。是非お読みください。

The Absolute Sound (TAS)
1973年創刊の世界的に有名なオーディオ専門誌。オーディオ機器のレビュー、音楽ソフトの紹介、業界ニュースなど、幅広い情報を提供し、オーディオ愛好家や専門家から高く評価されている。信頼できるガイドとして、多くの読者に支持されている。

著者 Michael Fremer
ハイエンドオーディオ業界で広く知られる音楽ジャーナリスト。これまでにStereophileやSound & Visionなどの様々な出版物に寄稿し、オーディオファイルコミュニティに大きな影響を与えた。アナログオーディオ機器とレコードの熱心な支持者としても知られている。
現在、Fremer氏はThe Tracking Angleの編集者、The Absolute Soundのシニアエディターを務め、世界中のオーディオファイルに影響力のある人物として知られている。

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Rules Are For Fules!
ルールは愚か者のためにある!

もしスタンリー・キューブリックに選ぶことが出来たなら、『時計じかけのオレンジ』に登場する華やかな Transcriptorsのターンテーブルよりも、このターンテーブルを選んだかもしれない。数年前、ハイエンドミュンヘンでユニークな外観をしたターンテーブル、AP-0(現在は完売)を初めて見たとき、私はそう思った。

後継機であるAP-01の外観はプラッターとトーンアームがあること以外は他のどのターンテーブルとも異なっている。そのデザインの背後にある考え方も同様に独創的だ。その外観は言葉で説明するまでもなく、画像をご覧いただければ十分だろう。

医療、航空、時計業界などに向けて高精度部品を製造する日本のメーカー、由紀精密はこう自問した。「私たちの技術を結集して、人々の心を豊かにする製品を作れないだろうか」。この考えを目標とし、伝統的なオーディオ製造の慣習には耳を傾けることなく、枠にとらわれない物作りを目指し、「ハイエンドブランドと認識されるためには一定の(高価な)価格の製品でスタートする必要がある」と、この会社のある人物が加工技術を活用し製造することにゴーサインを出した。

その人物とはまだ40代の由紀精密の社長、永松純である。社長就任以前は開発部長、技術開発事業部長を歴任し、趣味はもちろんオーディオとクラシック音楽。この明らかにユニークなターンテーブルのデザインを生み出したのも彼である。OMA(Oswalds Mill Audio)が発見したように、独自性は必ずしも商業的成功への道筋になるとは限らない。Jacob Heil­brunnがレビューしたK3は最も独創的な外観を持つターンテーブルの1つであり、その形状は派手さではなく機能の結果である。私はK3を「建設クレーンを載せたグッゲンハイム美術館」のようだと外観を賞賛したが、同社のオーナー/創設者は私のそのレビュー(他メディアで公開)に腹を立てた。K3がどれだけ売れたか、または売れなかったか知らないが、その理由は高額な費用でも、世界最高の音と性能を持つターンテーブルでは無いからでもない。その外観が金銭的余裕のあるレコード愛好家をも遠ざけたのだ。

AP-01のデザインに対する読者の反応は私には予測できない。しかし、市場の声に押され、由紀精密にとって初めてのターンテーブルであるAP-0は完売した。AP-01はその後継機である。電気系統を変更し、当初の設計で気がかりだった静電気対策も施したという。また、部品の60%を改良している。

2年前のハイエンドミュンヘンで純(永松)氏と話をしたことがあるが、このプロジェクトで最も興味深いことは、同社が初めて自ら考案し開発したコンシューマー向け製品だということだ。同社のビジネスは常に、他社のプロジェクトのために指定された部品やコンポーネントを注文通りに生産することであった。このプロジェクトの当初の目的は、同社の能力をアピールし、「チーム・スピリット」を構築できるような有用な製品を設計・製造することだったが、ターンテーブルのアイデアが浮上するまでその熱は冷めていた。レコードやターンテーブルには、それらを知らないデジタル愛好家たちを狂わせる魔力があるようだ。それが魔法の一部なのかもしれない!

プロジェクトの開発は、当時のCEOであった大坪正人氏に内緒で、若い 「CD世代 」のエンジニア・チームと一緒に始まった。彼らは純の自宅でレコードの音の素晴らしさに触れるまでターンテーブル・プロジェクトを 「理解 」していなかった。AP-01で数ヶ月を過ごした今、私はその外観と音響性能の両方に対する市場の評価に同意する。しかし、9インチで「アンダーハング」(マイナス15mm)、さらにオフセットなしのトーンアームは既知の幾何学的ルールをことごとく破っているので、まずそれを明確にしておく。

A Call to Arms
アームへの提言

ピボット式トーンアームにおけるLTE(横方向のトラッキングエラー)を最小化する最善策はほぼ100年前に「定説」となった。ラッカー盤に音溝を刻むカッターヘッドはラッカー盤を半径方向に移動する一方で、アームは円弧を描くため、針がレコード面を移動する際に生まれる偏差を解決しなければならない。

この問題に取り組んだ数学者は、LTEを最小化するには針が描く円弧が、ピボットからスピンドルまでの距離(アームの長さ)を決められた長さ分「オーバーハング」させる必要があるとした。この長さ(ピボットからスピンドルまでの距離に「オーバーハング」を加えた長さ)がアームの有効長である。アームが長ければ長いほどLTEは小さくなるが、アームが長いと別の問題が生じる。どのオーディオでもそうであるように(そして、人生の大半と同様に)、飲む毒は自ら選ぶものである。

幾何学的な研究を行った数学者(1938年のLöfgrenと1941年のBaerwald)に加え、Percy Wilsonというイギリスのオーディオ科学者/ジャーナリストが、ヘッドシェルのオフセット角、またはアームを「S」字型に曲げて作るというアイデアを考案したと言われている。どちらのアームタイプも今日まで様々な長さで生み出され、針を溝の接線に近づけることに一役買っている。

BaerwaldとLöfgrenのどちらの説でもLTEがゼロとなる「null」ポイントが2つ、レコード面に生じる(ポイント位置は異なる)。それらのポイントがどこに位置するか、もしくはレコード面にどれだけLTEが存在するかは幾何学で明らかにすることができる(他にはStevenson、さらに最近ではUNI-DINがクラシック音楽や、ラベルに近い位置でのカット(古いレコードのような)を施さないレコードに対して、有用な2つの代替案を提供している)。

では、なぜAP-01の設計者は「アンダーハング」でオフセット角のないトーンアームを選んだのだろうか。ピボット式トーンアームに働くもうひとつの力が「スケーティング 」である。これはアームがレコードの中心に向かって移動する際に内側に滑る力であり、アームが長ければ長いほどオーバーハングが少なくて済むため、アームのスケーティングは少なくなる。そう、単純に言えば「オーバーハングがスケーティングを引き起こす」のである。

AP-01に実装された各種のメカニズムは完璧ではないかもしれないが、スケーティングに対し効果的に補正する反力を生み出している。この反力が無いと針はレコードの溝の壁に乗ることとなり、レコードにも針にも音にも良くない。

日本を中心に広がる設計思想として、オーバーハングとオフセットはLTEを低下させるが、スケーティングがもたらす音への悪影響はLTEがもたらす影響よりも不快であり、スケーティング、特にトラッキングと音に対して重要なサスペンションに悪影響を与えるほど激しいスケーティング・サイドフォースをなくすことでより心地よい音を生み出せるという主張がある。しかし、AP-01のアンダーハングのゼロオフセットアームは、微小ではあるがスケーティングしている。AP-01のアームを溝の無いレコードの外周に置くとアームは内側に向かって滑り始め、レコードの中心付近で止まる。一方、ラベルの近くにアームを置くと、アームは外側に向かって滑り、外周付近で停止する。これらの動きは通常のスケーティングに比べるとゆったりとしており、これがアンダーハングアームを提唱するポイントである。AP-01のアームはストレスや横方向への力をかなり軽減することができている。

End of Lecture
講義終了

幾何学はさておき、航空宇宙や医療分野で実績のある企業であるが故にAP-01のアームは精密に作られているように見えるが、異国情緒漂う材料で加工されたチューブや、エラストマーで絶縁されたカウンターウェイト、明らかなアンチスケーティング機構などは無く、「ベーシック」にも見える。方位角はヘッドシェルで調整可能で、オフセットがないため針のすくい角に影響しない(良いことだ)。アームにはマグネットの力を利用した非接触ブレーキが組み込まれおり、これは工業製品に使われているヒステリシスブレーキを応用したものと同社のWebサイトに記載されている。この技術がトーンアームに応用されたのは初めてである。アームの高さは10mmの調整幅がありVTA/SRAに対応でき、アームそのものもしっかりとした感触で、セットアップも使い勝手も良い。

同社はメインアームを自分で選んだアームに変更したい人に向けてアームレスのAP-01EMをハイエンドミュンヘン2024で発表している。なお、AP-01、AP-01EMともにセカンドアームの取り付けが可能だ。

ターンテーブルは糸ドライブ式で、スプリングでテンション管理された2つのプーリーとケブラー繊維の糸、DCコアレスブラシレスモーター(エンコーダフィードバック)が使われ、12インチ、高さ3/4インチ、適度な重さ(ほぼ9ポンド)のアルミ製プラッターを33.33、45、78rpmで回転させる。プーリーは溝付きの金属製シリンダーである。

プラッターもアームと同様に異国情緒のある素材やサンドイッチ構造、真鍮シリンダーの埋め込み、エラストーマーダンピングなどを使用していない。しかし、プラッターは独自の製造工程を経て作られている。「何の工夫もないアルミ製プラッターに見えますが、その製造工程には面白い特徴があります。この削り出しプラッターは、当初は板材を輪切りにして製造されていました。しかし、板は横方向に押し出して製造されるためにアルミの組織が横方向に伸びてしまう。それを丸くカットするということは、プラッター内のアルミ繊維も横方向に走ったままとなります。AP-01の開発ではより正しい状態を追求したかったので大きな丸太のように押し出されたアルミ材を用意し、それを輪切りにして使用しています。こうすることで、繊維方向は回転に対して縦方向となります。このような工夫は由紀精密が素材加工を得意とする会社だからできることです。」と説明されている。

オプションとして、レコードの外周の反りを抑え、プラッターの有効質量を増やして慣性駆動を向上させるために見事に加工された外周スタビライザーを取り付けることもできる(「見事に」というのは、他の多くの製品とは異なり、正確にフィットして中心に押し付ける必要がないからだ)。プラッターは静電気を抑える導電性で、ターンテーブルシート無しで使えるように設計されている。また、比較的質量の大きいセンタースタビライザーも供給されている。

プラッターを支えるマグネットベアリングは永久磁石の磁気反発を利用したラジアル非接触タイプで、スピンドル先端の球のみが外部と接触し、ベアリングの周囲には一定の間隔が確保されるためベアリングノイズのない静かで持続的な回転運動を可能にしている。ベースからプラッターまで続く長いシリンダーは、ブッシュ内のスピンドルだけでなくそれ自体が回転する。この構造は機械的にも見た目にもユニークだ。同社の文献のどこかに「自立回転するコマ」のようだとも書かれていた。そして実際にプラッターを横方向に押してみると、プラッターに多少の「たわみ」が生じる。(この点を強調するため、ハイエンドミュンヘン2022で同社は精密加工されたコマを配布した)。そう、AP-01は見た目もデザインもユニークなのだ。そして、このターンテーブルの振動(打検)に対する絶縁レベルは、私が遭遇した中で最高レベルであったことも指摘しておこう。上部プレートを叩いてもスピーカーからは高周波ノイズがわずかに発生しただけで、それもすぐに消えた。AP-01について私が何を書いても、その精巧な機械加工と、優れた「組み立て技術と仕上がり」(大胆なデザイン以上にミュンヘンの群衆を引き付けた視覚的特徴の1つ)を十分に伝えることはできない。

Setup And Use
セットアップと使用方法

セットアップは素早く、比較的簡単だ。AP-01は基本的に組み立て済みで、プラッターをスピンドルにセットすればすぐに使える。コントロールボックスの左側には電源ジャックとオン/オフスイッチがあり、RCAジャックとアース端子は右後ろの柱に内蔵されている。脚を水平にし、ケブラー糸をプラッターとプーリーにかけ、カートリッジを装着すれば準備完了となる。

コントロール・パネル上部のロータリースイッチでプラッターを回転させ、隣のレバーで33 1/3、45、78rpmを選択する。各回転数に応じたピッチコントローラーでピッチを調整できるが、設定後に誤って触れてしまうと再設定にはストロボ・ディスクが必要になるので注意が必要だ。AP-02にはロック機能があればいいのだが!

スピードと言えば、ケブラー糸の結び目はスピードコントロールの妨げになるように思えるが、実際はそうではない。少なくとも、AP-01のようにスプリングでテンション管理されたダブルプーリー設計は、驚くほど強力なトルクを発生する。W&F RMS 0.02/ジッター0.094%など、シェイク&スピンの結果は極めて良好だった。

価格は外周スタビライザー、センタースタビライザー、カウンターウェイト、重量カートリッジ用カウンターウェイト込みで、AP-01EMは$44,975、AP-01は$49,975だ。(※由紀精密追記:2024年12月現在の米国価格です)

Max SLP (Surprising Listening Pleasure)
最上のSLP(驚きの聴き心地)

AP-01の比較的質量の低いアームは追従性の高いカートリッジに最適かもしれないと考え、まずはShureのV15VxMR MM型カートリッジに、Shureの販売終了したオリジナル針(それでもほぼ新品だが)の代わりにJICOの珍しいモリタの木製片持ち球形スタイラスを装着した。「ディテール低め/強いディストーションの広がり 」を完全に追求しようと考えたからだ。

私はアナログ・プロダクションからこの度発売されるSteely Danの『Katy Lied』のUHQR再販盤(dbxノイズリダクションシステム)の注釈を書かせてもらっていたので、このレコードは私がAP-01で最初に聴いたレコードのうちの1枚となった(告白:私は先行盤を手に入れたがプレスはUHQRではない180gの黒盤)。一方、私のリファレンスであるAudio Technica のAT MC-2022カートリッジ(Orbrayの一体型ダイヤモンドカンチレバー/スタイラスを備えたもの)を装着したOMA K3プロトタイプでも何度も再生したが、このカートリッジのダイナミックスラム(DS AudioのGrand Master Extreme光カートリッジにも採用)に対抗するのは難しいので、それを基準に比較したわけではない。

レコードの全ての溝に針が入る安定性と確実性はさておき、印象的ですぐに明らかになったことは、由紀精密/Shure/JICOの組み合わせの場合、中帯域の音色がニュートラルだったことだ。

私のリファレンスと比較すると、おそらくトランジェントの解像度が低いのではなく(不快になるほど柔らかいわけではないが)、音質的には中音域のすべての楽器、もしくはそのほとんどに相当する楽器の音色が無理なくきれいに、説得力を持って分離して聴こえる。Danの不気味で淫靡な曲の1つである 「Everyone’s Gone to the Movies 」ではマリンバ、サックス、フェンダーローズピアノ、そして3人のバック・シンガーが同じテリトリーで演奏しているが、どれも難なく上手く分離している。

Shureで再生したレコードリストは省略するが、球状のスタイラスにて失われるディテールが何であれ、聴く喜びを損なうことはなかった(いくつかの不快な録音ではむしろ有益)と結論づける。より重要なことは、LTEディストーションの増加が2次高調波歪みのように心地良い、ごく少量の添加剤として作用したことだ。私の耳は抗うことなくその心地よさに飛び込んだ。特にAP-01のリズミカルなグリップ感は、たるみの無い糸ベルトと、前述の高トルクを生み出すようにテンション管理されたプーリーの働きにより、アイドラーやダイレクトドライブに近いとさえ感じる。リズムの確かさ、しなやかな音色のバランス、2次高周波のキスの組み合わせは、私がShure V15VmxRで経験した中でも最も魅力的なパフォーマンスを生み出した(いつもは「尊敬するけど退屈」なのだ)。

このレビューの文脈ではShureは変数が多すぎて役に立たなかったので、次にAudio TechnicaのAT ART20を取り付けた。MC-2022は多くの点でより標準的なカンチレバー/ラインコンタクトスタイラスを備えている(Auris Bayaderer 1のビデオレビューでも使用)。低質量アームのように見えるが、8~12Hzの範囲内に垂直方向の共振周波数を生み出すには十分な高さだ。これで、私は本格的なリスニングに取り掛かった。

Masterline 7フォノプリアンプのレビュー(355号)では、BISからリリースされたLa Spagna(AN-1401)のAudio Nautes再発版を使用した。レビュー提出後、Discogsからオリジナルプレス(BIS LP 163-164)を注文した。AP-01を使って2つのプレス盤を聴き比べてみたが、すごい。Stan RickerはEQを主張しなかったので私は彼を信じているが、彼がどこかにボトムエンドを追加したか、オリジナルがそれをカットしたかのどちらかが行われている。なぜなら、オリジナル盤の方がはるかにオープンで透明感があり、高域のパーカッシブなトランジェントのアタックの正確さと残響が遥かに長いからだ。また、レコーディングスタジオを興奮させる小さなスパニッシュ・ドラムを含む1トラックのボトムエンドは、オリジナルの方が遥かに自然だ。再発盤では肥大化してしまっている。少額の投資をしてよかった。

この比較はAP-01の全体的なニュートラルさ、解像力、そして非常に低いノイズフロアを実証することとなった。二枚組LPの全曲を聴き通したとき、永松純氏が意図したであろうリスニングの快感がもたらされた。私をその空間に引き込んでくれたのだ。

このレビューを書き上げようとした時、Electric Recording Companyの宝物が届いた: RostropovichとBenjamin Brittenが演奏し、Gordon ParryとKenneth Wilkinsonがエンジニアを務めたシューベルトのアルペジオーネとピアノのためのソナタ/チェロとピアノのためのブリッジ・ソナタ(ERC 108)である。デッカSXL 6426の再発盤だ。ERCの再発盤の価格について文句を言う人がいるが、Discogsで最も安いオリジナルプレスはアイスランドからの発送で約$800、しかもVG+しかない。イギリスからのミント盤は約$1,000でジャケットには経年のシミがあるが、これに目を通さない人はいないだろう。現在完売しているERC(300枚限定)は約$500。漆黒の背景の中、RostropovichのチェロとBrittenのピアノは可聴域の歪みもなく再現されている。正確に描かれたピチカートの弾き、Rostyのチェロの魅惑的な光沢、そして余韻の残るワウのない残響が、心地良くあらゆる部分を揉みほぐしていく。

つまり、私が言いたいことは数値では表せないし、レコードの傷を取り除いても、アンダーハングであったとしても変わらないのだ。

AP-01を梱包してレビュー完了を宣言する前に、このターンテーブルの低音性能をチェックしなければならなかったので、何十年も再生していないオーディオマニアの名機を持ち出した。なぜMichael Murray Playing The Great Organ in the Methuen Memorial Music Hall(Telarc 5035 DD-2)を選んだかは聞かないでほしい。下は16Hzまで測定されるダイレクトカッティングだったが、再生してみた。AP-01の音はしっかりとふくよかでクリーン、低音まで完全にコントロールされていた。OMA K3/SAT CF1-12のアーム・コンボでも再生したところ、獣のように力強いスケール感と壁を揺らすような伸びの間には違いがあった。そう、大砲が放たれたかのようなのだ。

Conclusion
結論

この2階建てバスのようなターンテーブルはアナログキットの中で最もクールな物の一つであることは間違いない。場所を取らず、上部のプレートにはアクセサリーも置ける。造りの良さ、使いやすさ、楽しさは視覚的にも触覚的にも最高だ。精密加工のおかげで外周スタビライザーも使いやすい。

歪みが加わっているにもかかわらず、なぜこれほどまでの説得力があり、生命力あふれた音になるのか、アンダーハングのトーンアームに圧倒されていまだに解明できていないが、真空管がなぜ魅力的なのか(歪みが均等で、鈍い2~3%の轟音に抑えられている限り)、その理由と似たようなものであろう。Wally ToolsのJ.R. Boisclair氏は、LTEが追加されたにもかかわらず、エラストマーのストレスがないことがアームの音響性能の鍵であると推測している。アンダーハングを選択する設計者がいる理由が理解できた。

アームのシンプルさはセットアップと使用の両面で大きなプラスとなる。詳細はわからないが、音溝内での安定性(そしてサウンドステージングの結果)はアーム内のヒステリシスブレーキによるものに違いない。また、ある奇妙な挙動にも関係しているに違いない: AP-01が私のシステムに入っていた数ヶ月のうち、時々(5~6回ほど)アームが動かないことがあった。(※由紀精密追記:針飛びによる現象ですが、現在は改良により解決しています。)ほんの少し触ると動くのだが、それ以外はShureでは1g、Audio-Technicaでは2g、Ortofon Diamondでは2.6gの針圧で、まるでレールに乗ったかのようにトラッキングした。

また、バックグラウンドの異常なほどの静かさにも圧倒された。私は一流のターンテーブルの静かなバックグラウンドには慣れているつもりだが、AP-01の静粛性はトップ・オブ・トップだ。

由紀精密のAP-01を見て、触って、聴いてほしい。予算が$50,000まで増えるのであれば、特に自宅スペースが限られているのであれば検討する価値がある。2台目のターンテーブルにこれだけの金額を投じることができる人にとって、このターンテーブルは感謝したくなるような、新しくて特別な何かを与えてくれるだろう。

米国のオーディオ専門誌「The Absolute Sound」の2025年1月号にAP-01が掲載されました / The AP-01 was featured in the January 2025 issue of audio magazine The Absolute Sound. Read More »

1/17-20 鎌倉 祖餐にて、AP-01 をご試聴いただけます / 1/17-20 You can listen to the AP-01 at Restaurant Sosan in Kamakura, Japan.

開催日程
2025/1/17 (金) OPEN 17:30 / CLOSE 22:00
2025/1/18 (土) OPEN 11:00 / CLOSE 22:00
2025/1/19 (日) OPEN 11:00 / CLOSE 20:00

19日限定 SPECIAL EVENT
開発責任者 永松純氏による解説
「AP-01が魅せる音の世界」
一部 14:00~ 出入り自由
二部 16:00~ 出入り自由
三部 18:00~ 完全予約制

※三部18:00の回は完全予約制です。
※ワインとお食事のスペシャルセットをご用意しております。(1セット¥10,000)

ご予約の際は、粗餐までお電話にてご連絡ください。TEL 0467-37-8549

場所
鎌倉 祖餐

1/17-20 鎌倉 祖餐にて、AP-01 をご試聴いただけます / 1/17-20 You can listen to the AP-01 at Restaurant Sosan in Kamakura, Japan. Read More »