2025年1月

小原由夫のアナログ歳時記 12月16日(日)

オーディオ評論家 小原由夫 による
今日の一曲と日常の記録
レコードと共に時を刻む

12月15日(日) 晴れ
 
 今年のハロウィーンは大きな騒ぎにならなくてよかった、よかった。渋谷のスクランブル交差点も、新宿歌舞伎町界隈も、事前アナウンスと自治体の自主規制のおかげもあって、ごく一部の若者とインバウンド外国人が多少やらかした程度に止まり、何より、何より。一体いつの頃から日本でハロウィーンを騒ぎ始めたのか。私が子供の頃の「昭和」には、ハロウィーンのハの字もなかったのに…。
 
 で世の中、師走の空気で一気にクリスマスに突入だ。こちらはハロウィーンと違ってすっかり定着しているし、もちろん昭和にだってありましたよ、ハイ。
 
 それでも「クリスマス・イルミネーション」とやらが近年の流行らしい。昭和の時代は、クリスマスツリーの電飾がせいぜいで、家屋に電球張り巡らせてキラキラピカピカやるなんてのはほぼ皆無。あれでブレーカー落ちないのか、個人的には心配になってしまう。まさか暖房器具の電気停めてまで震えて痩せ我慢なんてことはないと思うけど(経産省、今年は省エネのアピールしてないんだっけ、知らんけど)。
 ということで、私は今年も自宅でひっそりクリスマス・アルバムを聴くとしますか。そこで久々に引っ張り出したのが、人気アーティスト結集型チャリティーソングの元祖「Do They Know It’s Christmas?」である。ボブ・ゲルドフとミッジ・ユーロを中心に英国ポップ・アーティストが集結し、エチオピア飢餓救済のために12インチシングルを英ロンドンのサーム・ウェスト・スタジオにて1984年12月25日に録音した。集まりしは、ポール・ヤング、ボーイ・ジョージ、ジョージ・マイケル、デュラン・デュラン、スティング、ボーノ(U2)等、約50名の錚々たる面々。
 
 そのサウンドは、まさにゴージャス。各人が歌い継ぐソロの瑞々しくもクリアーなこと!ジョン・テイラー(デュラン・デュラン)のベースとフィル・コリンズのドラムが繰り出すビートも強力無比だ。
 電飾イルミに持っていかれる消費電力がどれほどオーディオ再生に影響を与えるかは知る由もないが、オーディオ機器にとって電源は力の源、重要である。
 
 ところでAP-01の電源制御基板は、自社内での新設計によるリニア電源。先代のAP-0ではACアダプターだったが(さすがに高級オーディオ機器でACアダプターは如何なものかと思ったが)、回転の安定性をさらに追求したという同回路が再生音に大きく影響していることは、さまざまなアナログプレーヤーを聴いてきた私が日々実感している。
 
 はてさて、今年のクリスマス、皆さんはどんなホリデー・ソングを聴いてお過ごしになるのだろう。くれぐれも電飾優先で、寒い思いなどされませんよう。
「2024年 私の漢字一文字 ”祝” 横浜DeNAベイスターズの26年ぶり日本一」
執筆者 プロフィール

小原 由夫
オーディオ評論家。測定器メーカーのエンジニア、編集者という経歴をバックボーンに、オーディオおよびオーディオビジュアル分野に転身。ユーザー本位の姿勢でありながら、切れ味の鋭い評論で人気が高い。
自宅には30帖の視聴室に200インチのスクリーンを設置。サラウンド再生を実践する一方で、7000枚以上のレコードを所持。

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