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COLUMN
アナログ歳時記

2024年8月より、AP-01を導入されたオーディオ評論家 小原由男先生による連載コラム「アナログ歳時記」がスタートしました。
月に一度、季節の移ろいとともに綴られる、レコードプレーヤーとの静かな対話。音楽と暮らす日々の中で感じる空気や情景を、豊かな言葉でお届けします。全12回を通じて、アナログの魅力と、音に寄り添う時間の美しさをお楽しみください。

オーディオ評論家 小原由夫 による 今日の一曲と日常の記録 レコードと共に時を刻む

オーディオ評論家 小原由夫 による
今日の一曲と日常の記録
レコードと共に時を刻む

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2024年8月26日(月)

 表に出た途端、溶けてしまうんじゃないかというぐらいの外気温。毎日こう暑いと、近くのコンビニに行くことさえ躊躇してしまう。しかし、晩酌の冷奴用の絹漉し豆腐がないという事態に直面している以上、買物に行かねばと努めているのだが、きっかけ的な踏ん切りが何か欲しいとも思う。

「そうだ、こういう時は毎年夏の定番ソングを聴いて、涼やかな気分に浸った後に出向くとしよう」

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2024年9月17日(火)

 9月はなにかと気忙しい。毎年カーオーディオのイベントが月初にあり、中旬には年中行事の地元神社の祭礼。この2件の日程が重なったりするとかなり厄介で、仕事に穴を開けるわけにいかないし、町内会の三役を仰せ使っている身として祭礼の欠場は憚られる。過去にはそんな悲劇的な事態がまさしくあったのだが、まだ町内会の重要ポストに着いていない頃だったので、仕事を優先させてもらった(後で多少顰蹙(ひんしゅく)を買ったようだったが…)。

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2024年10月12日(土)

 後味の悪い夢を見た。朝起きてトイレに行くと、便器がない。夜半に目覚めてトイレに行った時には確かにあった。家内に尋ねると、子供たちを連れて出ていくと言いながら、件の便器を粛々と段ボール箱に詰めている。どうやら私が夫婦関係を裏切ったとかで、かなりご立腹の様子。だからといって便器を持って出ていくのは、いかがなものか。斯くして私はもよおしたまま、朝の近所を徘徊することになった。
 
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2024年11月17日(土)

 今年の夏は酷暑で長かった所為で、秋が短く感じられる。童謡に「小さい秋見つけた」という一節があるが、小さいどころか、微小という感じさえする。報道によれば、紅葉もあまり期待できず、葉の色付きが悪いらしい。冬の気配がもうすぐそこまで来ているのかもしれない。
 
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2024年12月16日(日)

 今年のハロウィーンは大きな騒ぎにならなくてよかった、よかった。渋谷のスクランブル交差点も、新宿歌舞伎町界隈も、事前アナウンスと自治体の自主規制のおかげもあって、ごく一部の若者とインバウンド外国人が多少やらかした程度に止まり、何より、何より。一体いつの頃から日本でハロウィーンを騒ぎ始めたのか。私が子供の頃の「昭和」には、ハロウィーンのハの字もなかったのに…。
 
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2025年1月21日(火)

 都市部を含む関東地域では、昨年12月のひと月に雨がほとんど降らなかった。そのせいで空気が異常に乾燥し、火災の頻発やインフルエンザの蔓延が助長されたように思う。私も日中や就寝時に加湿器の恩恵に与っているが、乾燥は人体(喉や肌)のみならず、オーディオにも悪影響をおよぼす。
 
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2025年2月22日(土)

 物にはデザインがある。考えた人、造った人の意図、狙いがそこに反映されているわけだ。私も趣味でレザークラフトやスピーカー造りといった木工を楽しんでいるが、事前の設計やデッサンは欠かさない。世の中にはインスピレーションで造られた物ももちろんあると思うが、完成までの過程で何らかの思惑はあったはず。デザインには、造った人の心象が投影されているのだ。
 
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2025年3月19日(水)

 世界のバランスとは、どうすればうまく保てるのだろうか。
 おぉーっと、いきなり私らしくない大仰なテーマを掲げてきたぞと思われても仕方がないが、人類一人一人が健やかに生きていく上で、これは最も大事な尊厳ではなかろうか。
 バランスが崩れると戦争が勃発したり、経済摩擦が生じたりする。何はさておき、地球全体のバランスが崩れているのが、現在の異常気象、温暖化現象といってよい。
 
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2025年4月21日(月)

 今年はドミートリイ・ショスタコーヴィチ没後50年だ。ロシアが生んだ、この偉大な作曲家にスポットライトが当たることがあまりないと普段から嘆いてきた私にとって、多くの人にショスタコーヴィチを知ってもらえるいい機会になると捉え、半ば内心ほくそ笑んでいる。
 ロシア革命から世界大戦、スターリン独裁時代を生き、大粛清と度重なる作品批判、さらには不本意な共産党入党を経験し、希望と失意、苦悩と欺瞞を経て自由を奪われ、不条理の中を生き抜いた不屈の天才芸術家、それがショスタコーヴィチだ。
 
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2025年5月26日(月)

 ストレートというキーワードから、貴方ならどんなことを想像するだろう。文字通りの、真っ直ぐな性格とか、実直さとかだろうか。
 オーディオの世界で「ストレート」といえば、信号をロスなく忠実に伝送することが真っ先に思い浮かぶ。「ストレート・ワイヤー・ウィズ・ゲイン」なんていうアンプの格言もあるくらいだ。
 
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2025年6月23日(月)

 暑い、アヅイ、あじぃ。そんな3段活用で記したくもなる2025年初夏である。今年の夏もまた暑くなるのか、今からこんな陽気じゃ先が思いやられる。
 という一方では、あちこちでビアホールのオープンに心踊る2025年初夏である。涼しい屋内で嗜むのもいいが、陽が陰った夕刻に屋上ビアホールで飲む麦酒もまた、夏ならではの風物詩としてたいへん楽しみなのだ。
 
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2025年7月21日(月)

 2025年も半分が過ぎた。この上半期に訃報が届いた著名ミュージシャンは決して少なくない。元ザ・ビーチ・ボーイズの創設メンバーのブライアン・ウィルソン、スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンのリーダー、スライ・ストーン、ソウルシンガーのロバータ・フラック、大ヒット曲「可愛いベイビー」で知られるコニー・フランシス、映画音楽家ラロ・シフリン、etc…。老衰や病気療養中 で帰らぬ人があった一方、予期せぬ事故など、死因はそれぞれさまざまだ。