「『幸せとは何か』を話し合うために毎月、当時の友人の居た兵庫まで通い、辿り着いたのは『人間の志向状態への適応の認識』という結論。つまり、目標を掲げ、それに向かって努力し、目標に近づいている自分を客観的に認識できることこそが幸せということ。」
ジャズのお話を聞いていたはずが、いつの間にか幸福論のお話になっていました。そのこと自体も面白かったのですが、「なるほど」と思わされるお話でした。努力して目標に近づいていること自体が幸せなのではなく、目標に近づいている状態にある自分を客観的に認識することで幸せを感じ取ることができる、という意味だと思います。このことを50年ほど前に考えられたとのことですが、自己肯定感などが話題になる現代においても普遍的で、当てはまるお話なのではないかと思います。
楽しいイベントの時間は過ぎ、藤井さんをご自宅までお送りしました。その車中で藤井さんがお話されていたこともまた、藤井武という人物をとても物語っていると感じたのでご紹介します。
「お話があれば今後もイベントには出たいですが、ギャラはいらないですよ。ジャズを世の中に広めてジャズ界に貢献したいだけなので。」